27 全逓4・28処分。(5章 お互いさま)78年、前年から続いた闘争に対する処分で61人が免職。当局と結んだ全郵政による組織破壊に対する組織攻防は、時には暴力にも及んで逮捕者が続出した。79年の年賀状配達を混乱させた「物だめ」闘争は闘いの頂点になった。2007年に、処分無効の最高裁決定が出た。
 
28 「踏まえ踏みにじる」。(同 路線主義の体現者)革マルの議論の仕方を中核派がやゆした言葉。「○○という痛苦な現実を否定的現実として踏んまえ、△△に向けて革命的に前進するのでなければならない」。踏まえて、党作りにいそしむ、何もしないで居直る。
 
29 傍聴。(6章 党改革 党改革の嵐)実際に「傍聴」したのはわずかだったろう。自分の任務以外のことや上級機関の議論を知ろうとすることは「のぞき・スパイ」とされてきた歴史は余りに重い。
 
30 LC。(同 卑怯者は去れ)各組織・機関の指導部会議とその成員。
 
31 風見鶏。(7章 熊野の夜)アメリカ「ウェザーマン派」 (Weatherman)。、70年代に活動した急進的学生運動の1つ。ボブ・ディランの曲から付けられた。国会議事堂、刑務所、マスコミ、大企業などといった体制側に爆弾を仕掛け数多くの爆破事件を引き起こした。ベトナム戦争の終結時に解散。
 
32 日本問題。(8章 カンボジアPKO論)日本の課題。アメリカが大枠を示し、軍事力を揃える。あとは日本の金と裁量でやれ、ということか。
 
33 正しい。(同上)その後、米越の関係正常化が進む。ベトナムは国際社会に復帰し「改革・開放」「ドイ・モイ」が始まる。アメリカは湾岸戦争・イラク戦争のためにも、ベトナム戦争の傷を癒すことが不可欠だったということか? 今ベトナムはBRICs4国に続くVISTA5国の筆頭。
 
34 文化大革命。(同 ポル・ポト派)各地で大量の殺戮が行われ、その犠牲者の合計数は、数百万人から一千万人以上ともいわれている。また「マルクス主義」に基づいて、宗教が徹底的に否定され、教会や寺院・宗教的な文化財が破壊された。特にチベットではその影響が大きく、仏像が溶かされたり僧侶が投獄・殺害されたりした。
 
35 生きた参考。(同上)正しくは、レーニンの「対農民戦争」それ自体もある。「農民の団結=反革命」論は根深い。
 
36 メキシコ革命。(同 サパティスタの綱領)たとえばメキシコの公用語はスペイン語諸民族間の庶民の共通語をどうするか。近代日本の「隆盛」の基礎として、共通語の強制と軍事教練による所作の規律が上げられる。「口語体」運動の意味も改めて見直したい。メキシコは、明治以来最初に互いに対等な貿易関係を結んだ国でもある。身近な存在として受け入れることから始めたい。
 
37 永山則夫。(同 人権論争)『氷の上の魂』の著者。68年、東京のホテルでガードマン射殺など連続射殺事件を起こした。97年処刑。
 
38 無実の証人。(同 人権と内藤裁判)警察が「革命軍」と認定した裁判では、無実・無罪を勝ち取るには、数倍・いく層もの無実の証拠を要求される。それに対決して多くの無罪判決が勝ち取られてきた。非公然メンバーの場合は、同じ非公然活動家のアリバイ証言が不可欠となる場合が多い。
 
39 開発独裁。(同 開発独裁)今の中国も、この側面から見ることもできる。『帝国主義論』に依拠すれば、もはや「帝国主義」の概念に近いかもしれない
 
40 清水=中野体制。(9章 2つのテロ)2つのテロの特徴。、①鉄パイプを使わない。白井さんは「宅配便」に自宅に踏み込まれ、両手・両足を骨折。角田さんは、砂入りバッグ?で襲われた。②犯行声明を出さない。質問も許さない。統一戦線の会議では「中核派の犯行ではない」とシラを切る。③「不特定の犯人」への弾劾声明の署名者に、撤回を要求して脅迫的「説得」をする。
 
41 土台 (10章 内戦の構図)破防法の団体適用が回避されたことと並んで、自衛隊の治安出動も回避された。かわりに機動隊の警察軍化が進んだ。55年体制の内側からの解体の実像を改めて点検する必要がありそうだ
 
42 虐殺。(同 解放戦争としての総括軸)71年12・4、関西大への革マルの襲撃事件。中核派にとって対革マルで最初の死者。「バリケードへの襲撃」として革マルの反革命性の証拠とされる。三重でも1人死亡。
 
43 動労革マルもまた同じ(同 ファシスト規定について)。機関士だけの職能組合として分裂・発足した動労の前歴。そのエリート意識は、革マルによる支配と後退局面で、露骨にさらけ出されたと言える。
 
44 戦略。(同 勝利の為の戦略)革マルの、見境のない襲撃は、たしかに「まともな対応」の余地を奪った。破防法弁護団への襲撃、政治局員を狙い撃ちした陰湿さ。家族への脅迫と策謀。争議団そのものへの襲撃。動労を押し立てた反原発運動への襲撃的介入もあった。けれどまた、多くの無党派集団が立ち上がっていた。内戦への協力を惜しまなかった。この統一戦線を「人民の海」に転化するためにどれだけ苦しみ、煩悶しただろうか?
 
45 内ゲバ。(同 戦争法規に学ぶ)民主主義とは、果てしない抗争から生まれた。むき出しの主張と利害の抗争、策略と取引の場だ。であればこそ、少数派の拒否権・離脱権を含む。「離合集散、割れても末に会わんとぞ思う」。そのために幾重ものルールがある。
 
46 88年の事件。(同 松尾の革命的独裁)前記の要求事件。松尾追放運動の端緒。このHPは『ポスト学生運動史』(彩流社)で出版された
 
47 『検証 内ゲバ』(同) (小西誠氏ほか著)は一読に値する
 
48 思想性。(同 時代精神ということ)定型化された「思想」の背後にあるもの。思想を生み出しすもの。科学性・法則性などと同じ意味合いで。
 
49 横須賀の爆弾。(同 75年3・14)企画・推進したのは清水さんのようだ。露呈するや、「分派の独走」と、権力・党内に隠蔽した。現場責任をとらない「逃げの清水」という証言もある。
 
50 左翼スターリン主義。(同 私の精神形成)中核派の政治用語。当時急進的だった中国共産党を定義するために生まれた。戦術的には左翼、世界観はスタ。転じてブンドにも適用された。スタとは「歌と踊りと議会埋没だけ」という俗論的認識は、甘い。
 
51 9・11.(同 アジアの中の日本)直後の『前進』は、一定の距離を置いてこの事件を論じた。けれども以降、9・11を全面賛美する論調に転化した。その趣きは、革マル本体と瓜2つ。けれどもまた、中核派がアルカイダと実践的に「連携・連帯」する立場でないことも事実だ。口先だけの『革命性』『独自性』‥。 9・11の実行主体はいまだ不明だ。米政府も公式には「アルカイダとの証拠は無い」。私は、この大量殺害を「支持・共感」することと「広島・長崎」は両立しない、と思う。