会社別の営収は以下の通り。(13年8月)
(注)1台当たりの隔勤の1日の営収に換算したもの。
1位 品川タクシー 62(単位千円)
2位 大井モーター 52
3位以下12位 45以上
一越、海日、宮城、錨、東京都民、平和、本州、境
13位以下 45未満
東京太陽 他
35位以下 40未満
太陽 他
49位以下 35未満
東京合同、三葉、新東京
考察
①品川は、場所柄、羽田空港の関係者を抱え込んでいることが大きいようだ。
無線の活用と会社の「営業努力」としておこう。
たぶん、4社より良い。
②規模で言えば境の健闘が目に入る。ここも同じような利点を持つのだろうか?
曲がりなりにもあるチェッカー無線を駆使して、足立を走り回っているのだろうか?
チェッカー無線は、城東地区が得意のはず。足立あたりは緑の東京無線が主流だけれど、穴場なのかも?
③同じく東部の雄の太陽は悲惨だ。
常に最下位10位以内をキープする。
太陽と子会社の東京太陽の差は、3~4千円。
昼日勤とナイトの計と隔勤の差はだいたいこのくらい。隔勤では、やはり集中できない、求刑が長くなる、ハンドル時間に制約が生まれる、などの理由がある。
ただ、最近の太陽は、東京太陽との差が開き、6~8千円になっている。
太陽の悲惨には、理由はいろいろありそうだ。
㋑有給の取得禁止・妨害の長期化。「バイト出勤の強制」などが、職場の空気を重くしている。
結果、人員不足に拍車をかけている。
㋺北海道本社の強制に従って、稼働率アップのために、内勤にハンドルを握らせる。
ただ、数字に反映するほどのものでもないはずだけれど。
㋩同じく稼働率のために、昼日勤とナイトを別々の車に乗せる。
多分これが、大きいのかもしれない。計算上、1日当たりの営収は半減する。
しかも、ナイトは年々希望者が減り、昼日勤のほうが稼働も増えている。
余話1
1.ちなみに、ここ数年、わずかばかりの日勤採用の会社も減っている。
車を遊ばせても、昼夜の交代番の対応をする内勤の人件費やシステム作りが「面倒だ」。
2.第2次減車が決まりながら、実施の時期も内容もよくわからない。稼働率が反映するといううわさもあり、 「稼働率のための稼働」も少なくない。ずるずると時を待っていることになる。
「4社なら、とっくに情報を掴んでいるんだろうけど」
ちなみに、減車が流れになってから、「会社株」「持ち台数」は再び商品価値を回復した。
「走れない車でも、持っていれば『所有できる台数』になる。カネになる」
3.最下位も固定
最下位5社の常連は毎月ほぼ同じ。
東京合同、三葉、新東京の他に東京ヤサカ、小松川など
同じく最下位10社の常連も同じ。
芙蓉第一、三矢、新東京、日の出第一、太陽など
余話2
4.極小企業では、人集めの広告費を惜しんで、現任(現役)だけの口コミだけに頼るところも多い。
2種免取得費もかさむので、車を遊ばせた方が目先の支払いが少なくて済む。
稼ぎが悪かったり、不祥事が多い乗務員の中で、一定の知名度が上がれば、それも人集めの一つの道 ではありそうだ。行き先がなくなったら、そんな穴場もあることは知っておきたい。
5.他の無線も含めると、東京タクシーは抜群の営収を誇示している。
羽田・成田のチケット客をつかんでいることが決定的だ。
会社の規模が小さいこともある。
6.昼日勤のすすめ
前記のようにナイトに比べて昼日勤の営収は少ない。
けれどもモノは考えようだ。
つわものが集まる夜に比べて、昼は、他の会社からの定年退職者や、隔勤やナイトに疲れて移ってくる。
夜が十分やれる人なら、昼はその体力を生かして働ける。拘束時間の制約も隔勤に比べて長い。
何よりも、夜の悪質な酔っ払いと付き合わなくて済む。
「タクシーの運ちゃん」から「ほぼサラリーマン」になれる。
問題は、得意な営業地域が極小化することだ。
近年とみに減った中長距離客。
かつては2,3年すれば、客に教えられて都内全域や周辺県が身に付いたけれど、今では不可能だ。
中長距離の客への期待以上に不安を抱えて働かねばならない。
そして対策は、ない。
「上客」には「知りません、分かりません」と答える勇気を持たないと、とんだトラブルになりかねない。
「カーナビ通りに」でも、やれ遠回り、やれ裏口に着いてしまったなどの苦情は覚悟しなければ。
最後に、減車がなったら、今度は人余り。
会社側の力が回復し、人の集まらない零細が息を吹き返す。
ま、ゆとりを得た一部の会社では、柔軟な労務政策に転換するところも無いわけではないだろう。
見方によれば、仲間とカネが一定あれば、新しく会社を興した方がいいのかもしれない。
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