事件の真っただ中、経産省前では相変わらず脱原発のテント村が続いている。
テント自身は来週にも撤去の判決が出るかもしれないという緊迫した状況だ。

経産省前での抗議行動や霞が関デモも続いている。

そうなのだけれど、仕事中にデモに遭遇すると思わずホッとする。
「暗雲覆う」今日の状況下で、小規模であれ「デモ」が行われていることに胸が熱くなる。
あえていえば何でもいい。
政府に真っ向から対決する旗が翻ることに意味がある。

とはいえ改めて思う。
大変な事態なのだけれど、とはいえすべてが押し流されているわけではない。
安部発言や国会情勢も大変な状況だけれど、とはいえ安部の発言自体も「まっすぐに貫徹」できているわけではない。そういう目で見れば、事態はまた別の姿を見せてくる。

戦後の長い「軽武装の平和」は、装備や国内法だけでは覆えない「闘えない国」を作り上げてきてしまっている。「派兵しない国」が享受してきたポジションを捨てても、「ジャーナリスト」をはじめ、情報収集と色んなパイプを「戦争国家」として作り上げるには、あまりに幼い議論しかできない政治だ。
 「軍隊は民衆を守らない」
 沖縄戦の、戦後の沖縄売り渡しの事実。
 「戦争と兵士」
 「戦争と慰安婦」「戦争と生活」等々をめぐる諸問題。
 現実の攻防戦がどこにあるのかを、「戦争的な冷徹な視線」で見渡す力量が問われているという大事な側面に、今は私の限られた力(あまりに限られた力)を注ぎたい。