論考は九州の尾*さんが、ロシアの侵攻以来ひと月半後の4月22日に書き上げたもので、ずいぶんと「タイムラグ」もあります。ブチャの虐殺が明らかになったころの物。
しかしまた、マリウポリの陥落(降伏)と東部ドンパスでのロシア軍の猛攻の頂点にある現在は、一面ではその提起の一番当てはまるときのような気もします。ブログの判断で見出しと段落をつけました【以下転載】
今日は2022年4月5日です。ロシアが占領していたウクライナのキエフ近郊の都市でロシア軍によるジェノサイド・大量虐殺が起こっていると報道されています。戦争に関する報道は最初だけが真実だといわれてもいますが、ジェノサイドが引き起こされたようです。
プーチン政権はジェノサイドそのものは否定せず、ロシア軍の関与は否定しています。プーチンは2月24日の開戦当日に、「ドネツクのロシア人を大量虐殺から救え」、「NATO軍の侵略からロシアを守れ、これはネオナチと闘う大祖国防衛戦争だ」と演説し、ウクライナ侵略戦争に踏み込みました。
そこにはロシアとウクライナの民衆が共に生きる、平和な生活を実現する考えなど全くありません。
ロシアによるウクライナ侵略戦争そのものです。
侵略戦争は三光作戦【註】と女性へのレイプ暴行は必ず繰り返されます。それは侵略戦争の目的には民衆にとっての大義・正義がないからです。ロシア軍のウクライナでの「三光作戦」は人類への犯罪です。 【註】(三光とは日本軍が中国侵略戦争で行った殺光・殺し尽くす、焼光・焼き尽くす、搶光【そうこう】・奪い尽くすのこと)
同時に、わたしはゼレンスキーー政権やそれを支援するNATO軍や日本などにも責任があると思います。それはロシアの侵略に対してウクライナの政権と軍の戦争目的は「ウクライナの民衆を何としても」守りぬくという物ではないからです。もし民衆を守るのであれば、民衆とともに撤退するはずです。
しかし、ブチャではウクライナ軍は軍隊だけが撤退し、逃げ出す余裕のある人たちだけが逃げ出し、逃げ出す手段とお金のない人たちはそこにとどまる以外にありませんでした。ウクライナ政権と軍は民衆と町々を無防備のままロシア軍の前に放置したということです。軍隊は民衆を守らないという歴史の真実がここでも繰り替えされました。ロシア軍がそこへ侵略してくれば何が起こるのかはわかっていたのに。ウクライナのぜレンスキー政権下の軍隊は民衆を守らなかったのです。
民衆をひきつれて後退する、安全な場所に民衆を誘導するために軍隊は動かなかった。民衆を守るために全力を尽くすか否かでその軍隊の戦争の目的が明らかになります。
ゼレンスキー政権の軍隊にも民衆の命と生活を守るという大義はなかったのです。ジェノサイドの責任はロシアと米日をはじめとする西欧の両者にあります。
今回のウクライナ戦争は強盗どもの領土分割をめぐる強盗どもの戦争です。戦火の中に放置され虐殺された民衆の側にわが身を置き、戦争を止めるために、戦争をなくすための行動に立ち上がりたいものです。
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こう書きながら現に今起こっている戦争を、ジェノサイドをとめるために自分は何をしたのか。なにができるのかと悶々と考えています。これまで二けた足らずの難民しか認定しなかった日本政府は政府専用機に20人のウクライナ人を救出し今日帰国します。中東から欧州に逃げてきた難民には見向きもしなかった日本政府が突然の変身です。決して日本政府が人道主義者に変身したのではありません。ウクライナのようにならないために軍備の増強を、核武装をという声はあっという間に世論を飲み込みました。それが狙いです。
戦争を繰り返してはいけないという思いをしっかりと胸に抱いて。………以下略
【ブログ注】
東部ドンパス地域では「包囲される前に撤退か?」という解説もあったけれど、結果的には避難は間に合わないようです。
ウクライナでも日本政府は「難民認定」をあくまでも拒否して「避難民」としている。
あくまでも今や批判と怒りの焦点でもある入管体制を護持するつもりのようだ。この国はどこへ行こうとしているのか?