ちょうどお客を降ろしてラジオのスイッチを入れた時、「人質事件」がアップされ、ニュースになっていた。
こんな時はTBSラジオのニュース解説が少し深読みでいい。
しばらく車を止めてラジオに耳をすました。
だいぶしばらくして会社に帰ると、窓口のじいちゃんが騒いでいる。
「刈谷さん、大変なことが起こっているんだよ」。「どうしたの?」
じいちゃんは1人興奮して、イスラム国が「要求」した2億ドル?の話をする。
私は答える。「いや、その額は『イスラム国を叩き潰すための人道支援』の額で大した意味じゃないらしいね。ま、そのうち10分の1か100分の1かで収まるか、それともまったく別な要求になるんだろうね」
じいちゃん。「イスラム国ってどうしようもない奴らしい。原爆でも持って行って落としてやればいい」
「参ったね」と思うが、小さな世間だし、このじいちゃんとも今後長く付き合わなければいけないのだからできれば穏便に落とし所を見つけたい。とはいえ周囲には何人かが無関心を装いながら聴き耳を立てていそうだ。
「イラク戦争の時にアメリカの空軍兵士が叫ぶんだよね」と始めて見た。
奴らはテレビ画面みたいなものを観ながら「イラク人達め、隠れていないで正々堂々と出て来い。堂々と勝負しろ」とか喚きながら、スイッチを押すんだ。と、ミサイルが飛んでって建物を丸ごとぶっ飛ばすんだ。なにが「堂々と」かね。どうせやるならお互いに刀か槍で体を張ってやんなくちゃね。
と、脇で聞いていた(少し)若い同僚が、「観た、観た。そんな場面があったよね」と軽く割り込んできた。
気持ちが通じればいい。互いににやりと笑って、日報の作業に戻り、洗車になる。
とにかく今日の疲れを取り戻すためにゆっくり休まなくては。