「俺は虚構を重ねることは許されない偽善だと思ったんだ、だってそうだろう、革命を戯画化することはできるが、戯画によって革命はできないからな。」(「創作夕陽の部隊」より)
本書は、学生運動解体期の一九七〇年代前半を京都(同志社大学/京都大学)で過ごし潰滅的に闘った者による渾身の〈政治的遺書〉である。
簒奪者らによる歴史の偽造に抗し、学生運動解体期=一九七〇年代ー京都の物語と記憶をよみがえらせ〈知られざる真実〉を書き残す!
[構成]
[特別寄稿]『遙かなる一九七〇年代-京都』の出版にあたって 矢谷暢一郎
第一章 遙かなる一九七〇年代-京都 松岡利康
第二章 [創作]夕陽の部隊 橋田淳
第三章 われわれの内なる〈一九七〇年代〉甲子園村だより 松岡利康
第四章 七〇年代初頭の京大学生運動ーー出来事と解釈 熊野寮に抱かれて 垣沼真一
【ブログ注】
本多書記長追悼45周年の集会で発言された垣沼真一さんとたまたま会話しました。
本書はまだ読了前ですが、紹介します。
ちょうど「内戦・内ゲバ」のただ中の時代、京都では赤軍派の影響やその残影の中から、既成の新左翼と一線を画す新しい「党派(党派性)」を目指した人々がいた。本書はその記録です。この時代にはブントの崩壊から「派生」した右翼とたがわぬマル青同やそれに近いグループも生まれました。「混迷」。その実相にも触れています。
私としては、私の知らない関西での動きに驚きながら、中核派の「85年世代」に一部重なるこの世代の問題意識を知る貴重な資料でもあります。
もしかしたら O’Hanlonさんの世界に通じるものがあるかもしれませんね。