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職場を守る「安全」と「プライド」


 一九七〇年代、大学や街頭に火炎瓶が飛び交う頃、職場の若者たちは、「安全」や「品質管理」を求めて、立ち上がっていた。

 高度成長は、「水俣」やカドミヤム、煤煙による喘息や「交通戦争」など、あらゆる「公害-産業災害」をまん延させていた。

 若者たちは、企業の内外で「市民・消費者」と連携して、自身の企業を「告発」した。

 「怒れる若者」たちは、古参組合員とも葛藤を繰り広げた。

 労働組合の役割自体、変化することが求められていた。

 「人として、子どもを抱える父・母として」「市民として」、仕事と生活を矛盾のないものにしたいと願った。

 「労働者としてのプライド」を求めていた。

 未熟さと世間知らず、そして思い込みが、互いを激しく傷づけあい、さまざまな危機を生んだ。
 しかし、あれはどの「公害」が(表面だけだとはいえ)収まったのも事実だ。    

 フジヤの職場の崩壊

 不二家も、工場の近代化を、「郊外移転」として進めた。

 生産現場を支え、運動を支えてきた多くの女性たちも職場を去った。

 ある人は健康を害し、ある人は地元に残った。職場に残った人は労働強化と子育てに追われた。「昇格」を拒否して現場に残った人も、「本工」として、準管理職に棚上げされた。

 「同一労働・同一賃金」の原則を墨守し切れなくなった時、「職場の一体感」は崩壊する。
 テレビをはじめ多くの報道も、働く現場は無視したままだ。操業停止された工場の労働者(派遣・パート)の現状は見えてこない。

 従来の消費者運動は労働現場への配慮を基本としたが、昨今の「消費者保護」や「被害者の救済」の「ブーム」ではこうした目線を仇敵としているようだ。

現場からの再建の道

 それに、「製造業」よりも「金融・IT・物流」の時代だ。募集は「営業」ばかり。カネカシやブローカーが我が物顔にはびこっている。「保安」や「保守」、現場のコストカットが、「経済の論理」として横行する。

 「格差社会」とは、まともな生活や労働をさげすむ社会でもあるようだ。

 「クリスタル」― 一見透言明だが殺伐とした空気の中で、労働運動の再生の道は険しい。

 かつて職場を支え、労働運動を牽引したりーダーたち、彼らに半ば呼応し相対した中下の中間管理層(そのタマゴたち)も霧散した。

 革新政党や労働運動を支えた自立した文化運動も、花開くと共に、商業主義の中に取り込まれた。

 しかしまた、今ほど労働運動やいろんな「労働者」運動が求められている時代は、ない。

 労働運動の原点に立ち戻ろう。

「少しでも長く居たい職場に。わが子や家族に誇れる仕事を。そして仲間の居る職場に!」

 適度に「群れ」、適度に付き合うことの継続が、日々の糧になり、「非常時」にも「保険」になるはずだ。『一期一会を大切に」。

 組合員もさまざまだ。かつて、「労働運動潰しの『闘士』」だった人々も、元経営者も、今は立派な組合員だ。「事実は小説よりも奇なり」

 今、春闘の真っ只中。

 私も「団塊の世代」で、子もたちは「失われた十年」の「失われた世代」だ。多くの人は、わが子や親族・知人に複数の非正規社員を抱えている。その共感や苦闘をどうしたら形にすることができるのだろうか?      【その2 完】

  「Y乗務員 投稿記事」

     2007.2.15


以下投稿。一部削除や改編しました。

 「北島の議員(候補)としての資質にも問題を感じます」。(元ハワ***)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


 20074月の杉並区民(支持者)の北島への絶縁状の手紙に関連して。
  資料蒐集 北島邦彦殿――杉並に今の中核派は必要ない(2007年4月)

 <元ハワ***さんによると事件の発端は以下のとおりだそうだ>。
 新城さんから選挙のドライバーの依頼を受けて、Hさんが友人(元中核)を紹介し、…「支持者」の車を借りて区内の慣らし運転した。そして車を返しに来た時に、Hさんと北島がばったり駐車場で遭遇した。北島が、その「支持者」氏の駐車場にバイクを停めさせてもらっていたからだ。

 北島は、(すでに反旗を翻していた)Hさんを見てその場で何事か判断できず、Hさんが「支持者」宅に入ったのを見届けてから、少し時間を置いて「支持者」宅へ抗議に行った。
 「Hが来ていますよね。どういうことですか」というような難詰だったらしい。
 「支持者」氏は、北島と面談して追い帰した。 《以上要約》
 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 【以下転載】
 たぶん、元赤○の人だったと思います。たとえて言えば、幕末の志士をかくまう志高い「知性の人」という印象でした。彼のあの手紙は、北島に対する落胆と怒りから書かれた真実の思いだったと思います。
 つまり、北島には政治的センスや判断力に欠けるところがあります。
 それはおそらく、彼が大学時代ノンセクトで過ごし、就職後遅れてきた中核派だったことに由来していると思います。
 85年に結集しそのまま11.29で突っ込み逮捕起訴されてしまった経歴に、彼の活動家としての傾向はかなり影響されています。彼はどうも「元ノンセクト・就職後」にコンプレックスを感じるのか…。

 長谷川さんはいろいろ党内的な評価はあるにしても、私は人間的に立派な人だと今でも思います。
 かつて、石田郁夫さんが「彼は前進に書いてある事しか言わない」と悪口を言っていたかと思いますが、私は「前進」の主張をそのまま語りながらも、区民には誠実で腰が低く実行力があると思われていたから、区民支持者からも信頼が厚かったのだと思います。

 党内のヒエラルヒーや党員としての能力と別次元で、政治家は大衆や支持者と信頼関係を結ぶ能力が求められるのではないかと思います。


 北島は、本来的に自由人としての自己の傾向を否定し糊塗し、党人として意識的に(ムリヤリ)自己を党的であり革命的な人間であると押し出すことで、自ら非人間的にふるまうことが「中核的」であると誤解してしまった悲劇的な活動家だと思います。


 中核派の地獄への道を、内面の葛藤を見せず、最先頭に立ち、首切り役人の役を買って出るあの悲劇的(=喜劇的)な中核俳優が北島だと思います。だから、彼は区民に顔を向けず、つねに党中央に顔を向けているのです。それが、中核派のゴリゴリの生え抜き議員の生き方だと勝手に思い描いているのですが。…その判断の仕方が議員に向いていないと思わせるのです。


 ふつうは、2度も落選したら、候補としても落選ですが、世の中の常識にあらがう党は別の判断をするかもしれませんね。

う~む。
北島氏のこの時の対応かその後の一連の行動が、「あと百票」を失ったのかも。
北島氏の「悲劇」への道筋は、当時の本社空気感として、私にもわかる気がする。



 「買い物難民(弱者)」対策に、「タクシー・バスによる宅配OKへ」の検討が進んでいるという。
それ自体としては望ましい方向だと思うけれど、業界の1人としてはいくつか問題を感じる。

 買い物難民のデータとしては、経産省と農水省が基礎的な統計を公表しているらしい。
 以下は経産省による簡単なスケッチ。
「流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれている人々のこと。徐々にその増加の兆候は高齢者が多く暮らす過疎地や行動成長期に建てられた大規模団地等で見られ始める。経済産業省では、その数を600万人程度と推計」
 いわゆる僻地や群馬のようにバスが無い地域のほかに、東京・葛飾でも「大谷田団地」などでの「乗合タクシー」の適用例があるらしい。
 これに加えて、今は「タクシーやバスは荷物だけを運んではいけない」という画一的規制を条件付きで緩める「宅配OK」がメインになりそうだ。

 ①都内では?現場では?
 私自身では手を上げられたお客さんにペットの入ったバッグを押しつけられて、「荷物」だけを運んだ経験は有る。
 突然だったし、断るべきはずが勢いに乗せられて「脱法行為」をやっている。「実車」のボタンを押して、警察や同業・同僚の目を恐れつつ。
 ただ、そんな事例はあまりない。同僚も地域の人も、みなさんけっこう「順法」なのだ。

 今なら、多分私は断る。
 摘発や通報が怖いからだけれど、「駐車違反」はもっとリアルで怖い。

 同僚の中には車いすのお客さんを、路地の奥や時には家の中までお送りする人もいる。
 人としてすごいなと思うけれど、駐車違反の恐ろしさは身にしみている。路上に車をおいて2分、摘発の作業は完了してしまうのだから…。
 近くの有料駐車場を探して料金まで払う手間を考えたら、私自身は、都内の買い物難民は救えない。
 
 もうひとつ、たぶん最大の問題は、「モードの切り替え」だ。
 調子の良い時悪い時、この商売、シャカリキになって客を探す。
 人によっては「15分、30分待って近場の客だとアタマニ来る。だから付け待ちはしない」
 そんな時のモードと合わなさすぎることもある。

 たぶん病院や下町を走る人たちの少なくない人たちは、そんなシャカリキが嫌で、営収減を覚悟で営業形態や地域を決めている。そんな人たちがどんな反応を出すのかがここでの焦点になりそうだ。
 個人であれ法人であれ、乗務員のヒトを選ぶのが肝心なところか?

 地方都市ではとっくの昔から、タクシーは「年金生活者でしかできない収入」になっている。
 それでも生活もモードも千差万別だから、やはり「ヒトによる」?
 (もちろん時に若い人が入ってくれば、頑張る分だけ平均より良い収入になる)
 
 とにかく、乗務員の立場や要請を理解せずに、何が…。
 とはいえ「絶対反対」でもないが。

 

会社別の営収は以下の通り。(13年8月)
   (注)1台当たりの隔勤の1日の営収に換算したもの。
 
1位 品川タクシー 62(単位千円)
2位 大井モーター 52
3位以下12位    45以上
   一越、海日、宮城、錨、東京都民、平和、本州、境
13位以下       45未満
   東京太陽 他
35位以下      40未満
   太陽 他
49位以下      35未満
   東京合同、三葉、新東京
 
考察
 ①品川は、場所柄、羽田空港の関係者を抱え込んでいることが大きいようだ。
   無線の活用と会社の「営業努力」としておこう。
   たぶん、4社より良い。
 
 ②規模で言えばの健闘が目に入る。ここも同じような利点を持つのだろうか?
  曲がりなりにもあるチェッカー無線を駆使して、足立を走り回っているのだろうか?
  チェッカー無線は、城東地区が得意のはず。足立あたりは緑の東京無線が主流だけれど、穴場なのかも?
 
 ③同じく東部の雄の太陽は悲惨だ。
  常に最下位10位以内をキープする。
  太陽と子会社の東京太陽の差は、3~4千円。
  昼日勤とナイトの計と隔勤の差はだいたいこのくらい。隔勤では、やはり集中できない、求刑が長くなる、ハンドル時間に制約が生まれる、などの理由がある。
 ただ、最近の太陽は、東京太陽との差が開き、6~8千円になっている。
 
 太陽の悲惨には、理由はいろいろありそうだ
 ㋑有給の取得禁止・妨害の長期化。「バイト出勤の強制」などが、職場の空気を重くしている。
   結果、人員不足に拍車をかけている。
 ㋺北海道本社の強制に従って、稼働率アップのために、内勤にハンドルを握らせる。
   ただ、数字に反映するほどのものでもないはずだけれど。
 ㋩同じく稼働率のために、昼日勤とナイトを別々の車に乗せる。
   多分これが、大きいのかもしれない。計算上、1日当たりの営収は半減する。
   しかも、ナイトは年々希望者が減り、昼日勤のほうが稼働も増えている。
 
余話1
  1.ちなみに、ここ数年、わずかばかりの日勤採用の会社も減っている。
    車を遊ばせても、昼夜の交代番の対応をする内勤の人件費やシステム作りが「面倒だ」。
 
  2.第2次減車が決まりながら、実施の時期も内容もよくわからない。稼働率が反映するといううわさもあり、    「稼働率のための稼働」も少なくない。ずるずると時を待っていることになる。
    「4社なら、とっくに情報を掴んでいるんだろうけど」
    ちなみに、減車が流れになってから、「会社株」「持ち台数」は再び商品価値を回復した。
    「走れない車でも、持っていれば『所有できる台数』になる。カネになる」
 
  3.最下位も固定
    最下位5社の常連は毎月ほぼ同じ。
     東京合同、三葉、新東京の他に東京ヤサカ、小松川など
      
    同じく最下位10社の常連も同じ。
     芙蓉第一、三矢、新東京、日の出第一、太陽など
 
余話2
  4.極小企業では、人集めの広告費を惜しんで、現任(現役)だけの口コミだけに頼るところも多い。
    2種免取得費もかさむので、車を遊ばせた方が目先の支払いが少なくて済む。
    
    稼ぎが悪かったり、不祥事が多い乗務員の中で、一定の知名度が上がれば、それも人集めの一つの道     ではありそうだ。行き先がなくなったら、そんな穴場もあることは知っておきたい。
 
  5.他の無線も含めると、東京タクシーは抜群の営収を誇示している。
    羽田・成田のチケット客をつかんでいることが決定的だ。
    会社の規模が小さいこともある。
     
  6.昼日勤のすすめ
    前記のようにナイトに比べて昼日勤の営収は少ない。
    けれどもモノは考えようだ。
    つわものが集まる夜に比べて、昼は、他の会社からの定年退職者や、隔勤やナイトに疲れて移ってくる。
    夜が十分やれる人なら、昼はその体力を生かして働ける。拘束時間の制約も隔勤に比べて長い。
    何よりも、夜の悪質な酔っ払いと付き合わなくて済む。
    「タクシーの運ちゃん」から「ほぼサラリーマン」になれる。
 
    問題は、得意な営業地域が極小化することだ。
    近年とみに減った中長距離客。
    かつては2,3年すれば、客に教えられて都内全域や周辺県が身に付いたけれど、今では不可能だ。
    中長距離の客への期待以上に不安を抱えて働かねばならない。
    
    そして対策は、ない。
    「上客」には「知りません、分かりません」と答える勇気を持たないと、とんだトラブルになりかねない。
    「カーナビ通りに」でも、やれ遠回り、やれ裏口に着いてしまったなどの苦情は覚悟しなければ。
 
  最後に、減車がなったら、今度は人余り。
    会社側の力が回復し、人の集まらない零細が息を吹き返す。
    ま、ゆとりを得た一部の会社では、柔軟な労務政策に転換するところも無いわけではないだろう。
    見方によれば、仲間とカネが一定あれば、新しく会社を興した方がいいのかもしれない。
 
 

東京都に限定して。
さらに中小の法人系に限定しての感想。
さらに乗務員の立場と損得に限定して、考えてみる。
 
まずは前提を。
車が減れば、1台当たり営収は増す。
けれども人が余れば、ゆとりと自信を持った会社との関係は悪化する。
「車が多すぎるから営収や給料が下がる」というのは過去の話で、実際には遊んでいる車を減らすだけに終わりそうな気もする。(この点で、全自交も自交総連も、ただ、会社・業界の太鼓持ち・広告塔になっていると思うのは私だけか?)
 
実際には何パーセントの減かが生き死にを決める。
さらに二種免の「地理試験」という怪物のさじ加減次第で、人は余りあるいは不足する。この数年、車が遊んで台当たり営収が維持されたのは、ひとえにこの地理試験のおかげだ。
「長いタクシー不況の末起こったこと」を土台にしないと「どうすればどうなるのか」はなかなか見えてこないのが現状だ。
 
【前回の結果は?】
前回の減車は、結局は「余った車を(自主的にという)強制力で削るだけ」だった。
その中で大手が「支度金」や「紹介料」を復活させ、「現任(他社の運転手)」を引っ張ったことのほうが大事件で、いろんな変動の震源になった。
 
 人を集められない新規の(他業種から移行した)小規模の会社は、車が遊ぶだけに終わった。
 支度金をあてにした「渡り鳥」の運転手がうまい汁を吸い、長年務める運転手には恩恵が回らない。
 結果、小企業は低い歩合と引き換えに「だれでも入れる会社」になった。
 
 では、北海道本社からのきつい命令と監視で、稼働率アップのために「有給の取得制限・禁止・妨害」が横行し、労働環境と労使関係は索莫としたものになった。(板挟みになる職制・内勤・「営業」との異様な空気)
 仕事から帰ってきて、内勤との冷たい関係になれば、壱日の疲れが倍加して会社を移りたくなる。
 
 いま、都内(23区+武三、以下区部とも)での稼働率は90%弱という。
 この数字には「減車決定」を見込んで1日数時間でも車を動かす「稼働率の実績作り」も含まれるので、実質は80%くらいに下がるかもしれない。また人をかき集めた大手と車が余る小企業では、その差も大きい。
 
 仮に10%減なら、中から小まで運転手の充足率は飛躍的に高まる。20%減なら、実際に街を走る車も減り、人があふれて会社にとって有利な「労働力の買い手市場」「利用者との売り手市場」と化す。
 年金者や営収の低い運転手の排除が始まる。並行して、賃金も少しは上がる条件ができる。
 
 5%程度だと、新車への代替予算が浮き、会社としては当面の運転資金や幹部の酒代・さかな代に回る。
 
 若者は運転手職場を嫌い、運転手の年齢も上がり、(他産業に比べて圧倒的に高かった)労組の結集率も低落している。
 長時間や公休返上の過労運転も問題だ。ある意味、この「スト破り」の「公出」への規制は、組合もお手上げであり、労働基準監督署もまた「人手不足」を理由に放置している。たまに労基署に駆け込む労働者もいざ告発・監査の要請になれば(たとえ署員が監査を勧めても)、二の足を踏む。(道義に反するからだ。あるいはこの社会で長く生きようと思えば、社内で穏便に?決着したいと思うのはむしろ当たり前)
 
 労組が本格的に復活するには「活況」や若手や女性の大量進出が望ましいように思えるけれど、その前に失うものも多すぎそうで、‥‥。
 
【減車の方法は未定】 
 今回の法改正では、「減車方法」も未定だ。
 ①各社一律に減車、と
 ②(休車や休社を含めた)「営業制限」
    をどう組み立てる・組み分けるかは、今後の課題だという。
 
 つまり、大手と小企業や個タクを分け、大手には一括減車、個タクには定例の休社の義務付けをするなどして、都内での1日あたりの総稼働台数を調整するという。
 
 もちろん(AAやAなどの)ランク制は、ここにも反映する。
 「優良企業」と(潰れてほしい毎年Cなどの)「不良企業」には減車での差がつくのは必至だ。
 ただ、「地理試験」と同じで、ランク制の基準はあまりに実情に合っていないし、恣意的だ。
 結果、この職場としてはきわめてまっとうな会社や個人が排除される側に回ってしまうという危機感もある。
 利用者や業界でも悪名高い東都・○○営業所が生き残るかどうかは注目したい。
 
 ランク制は
①悪質な違反(速度超過30キロや駐車違反!) ‥‥トイレやコンビニでもよく捕まる。女性泣かせでもある。
②タクセン違反(乗客のクレームや実車ボタンの押し忘れ、「回送メーター」の不正使用など)‥‥トラブルを避け、「無料サービス」にもよく使う
③会社の健康管理や安全講習義務の履行
     などで構成される。
 まっとうな理由とあまりに無茶な理由とが混在しているので、文字嫌い・制度嫌い無いな運転手にとっては、「お上任せ」と「お上嫌い」の混濁物を助長するようなものだ。(これも組合の仕事のはずだけれど、全自交にせよ自交総連にせよ、ま、やる気なし)
 
【土日祝日の休社?】
 すでに大手では、連休や土日の休社・休車がいきわたっている。
 結果として、乗客の少ない日に少ない車で、それでも少ない営収が定着している。
 「営業制限」が広く適用されれば、土日の車も減り、営収は均(なら)される。
 とはいえ、指導がいい加減になれば、年末年始やGWに出勤が強制されるかもしれない。
 
 業界にとっては長い冬の期間に落ちた体力を回復できるチャンスだが、「さあもうけよう」となった時の経営陣が何をやりだすのかは、期待以上に不安も大きい。
 
 若者は逃げ、女性も増えない職場で、「年金併用」と年金者の新規採用が定着したこの職場では、多少のことでは変わらないものが多すぎる。
 「最近のタクシーさんは前に比べて随分応対が良くなった」とも聞く。ま、年もとったし、客も変わってきたし、変わったのかもしれないけれど。ただ、「一見(いちげん)の客」を主とする中小では、自由と危険はウラ合わせだということは大きくは変わらない。
 
 【若者よ?】
 新規にこの業界に入ろうとする若者たちには、落差の大きい企業間情報が望まれるのだけれど、業界も組合も、関心の外だといえる。1年ほどどこかで働きながら、情報を仕入れる手法を確立して、よりよい会社を選ぶことをお勧めする。
 若者の集まる、女性の集まる会社、そして「できる・収益の保障された・制度や労務管理のしっかりした会社」は少なからずある。ただ、ガセネタも多く、数字や特性を把握して公表するには私も余りに非力だ。
 
 ただ、平均収入の低さは必ずしもあてにできる収入の低さを意味しないことも事実だ。
 勤続年数はもちろん、地理の熟知も営収にはほとんど反映しない業界だ。
 元トラック運転手なら、運転技術と熟達で、疲れを知らないパワーと知恵で、年配者を差し置いて3か月もすれば営収トップに立てる。平均の5割増しも「夢」ではない。隔勤といわず、日勤でもそうした自力の差は実に大きい。賃金も45万は苦しくとも、(一般の中小でも)人によっては40万くらいにはなる。
 その上で、良い客を持つ会社、企業年金などの良い制度を持つ会社、労務管理のしっかりした会社を選べばいい。
 
 タクシーは「人身事故や死亡事故」と隣り合わせの職場だし、「近代的・現代的」な権利意識の育ちにくい職場でもある。良く言えば水滸伝の世界だ。産業全体の近代化よりも(あらかじめ選ばれたいくつかの)会社に入り、「普通のタクシーでないタクシー」を目指すほうがとりあえずは良いのかもしれない。
 
 
 
 

 先日、「信号違反」で捕まった。
 
 渋谷駅の西口方面から246(玉川通り)を左折しようとして、「赤信号の無視」とされた。
 言い分はあるのだけれど、最終的には青切符にサインした。
 
 白バイの警官が若く、それなりに一生懸命に対応し説得しようとしていた姿勢に少しまいったのが第一。
 その警官の顔と声が、高校の親しい(ある種尊敬した)後輩に似ていたことが第二。
 
 最後に警察官の氏名を見て聞いてみた。
 「あんたの故郷はどこ?」「私自身は東京生まれですが、父母は群馬です」
 前橋や群馬に多い名前で、高校3年の時の「定時制統廃合への反対闘争」の時の前高(まえたか、まえこうは工業高校)の定時制生徒会の代表と同じ名前だった。
 あの闘いは、私なりに先頭で真剣に闘ったものだけど、定時制の知り合いに対しては後味の悪い対応・結果に終わった。以来、私の誇りと恥部になっている。
 そんなこんなでサインをするはめに。
 
 それはそれとして、ずいぶんいろいろな制度の知識を手に入れた。
 
 ①累積点は消えない
  争って池袋に持ち込んでも、累積点は消えないのだという。
  仮に免亭になってはじめて、争って勝った「累積」は減らされる。
  とするといろんな不利益は生まれてしまうということ。
  「セイフティーコンテスト」によって、自動的に会社に処分点数が通告される。これが阻止できない。
 
 ②新しい免亭救済の制度
  知らなかったのだけど、1年間無違反なら、軽微な違反(3点以内)は、3か月無違反で過ごすと累積から削  られる。カネはとられるけれど免許証のキズは減る。もちろん違反の履歴には載るけれど。
 
 ③旗振り研修で免亭免除
  軽微な違反の累積なら、免亭点に達しても、研修を受ければ免亭から免除される。
  さらに「行政処分歴」からもはずされる。
  もちろんカネはとられるけれど。
  つまり、カネさえ払えば、キズは深くないようになったということ。
 
  タクシーや配送の乗務員にとって、カネも大事だが、免許証は比べ物にならない。
  それならおとなしくサインをしようか?ということになる。
  そして…
  警察官にとって、やっかいな「説得」から解放され、「人道に反した」罪の意識からも解放される。
  安心してカネをとることに専念できるということか?
  
 
  警察も天下りやカネ稼ぎで苦しんでいる。
  かつて警視庁は、駐車違反の民間委託を「交通警察に通じた人物がいるかどうかは認可の大事な要素」と公言していた。
 それならいっそ…、ということで「互いに良かったカネ稼ぎ」に変えたということか?
 
  新人が嫌になる、やめちゃう仕事を少しでも長持ちさせるという苦肉の策とでもいおうか?
  まったくね… 
 
 

2010年の減車に続いて、今年また減車が内定したという。
たしかな筋からだ。
 
新たに3割、東京のタクシーを減らすという。
今年からか、来年にかけてか?
 
圧力の一つは実は鉄道関係からだという。
「終電を遅らせればタクシーは要らない」
もしかすれば終電に加えて深夜の帰宅用の中長距離バスの認可に絡むものかもしれない。
 
一部のタクシー会社にとっては、いまやおいしくないこの業界からの撤退・縮小の道筋になるかもしれない。
代替わりが進むこの業界では、苦労を知らない後継者が日銭を稼ぐには、車の買い替え資金を宴会用に回したり、社長や幹部連の「退職金」にまわすほうがうまみがある。
才覚のある会社なら、つぶれる会社を買い取ればいい。
 
かつてと違ってこの業界の政治力はほぼぜろに近い。
押し切られる形で減車を受け入れるほうが簡単か。
 
少ない車で儲けがそのままなら、業界にとってもこんなおいしい話はない。
昨年の減車にもかかわらず、当社では相変わらず人が減り続け、車が遊んでいるのだ。
減車によって稼働率があがれば一挙両得と思うかもしれない。
 
乗務員の使い捨ての気風は変わりそうもない。
 
すでに、乗務員の収入は、パート並になってしまった。
年金を支えにできる人以外にまともな生活は望めない。
 
この業界、体力勝負だ。道を知り、接客を知ることは収入につながらない。
もっと言えば、道を知れば最短・最低料金になってしまうから、収入はダウンするといっても過言ではない。
 
乗務員の淘汰も、会社の淘汰も、最悪な方向に進みそうな気がする。
4社や大手からみたら、どんな見方になるだろうか?
 

減車の影響  09年11月と10年11月の比較   
     
1.都内の台数 
        9.11末  10.11末   減数   減率 
法人 台     32164   28190   3274   12.40% 
個人 台          16919      16523       396       2.30% 
計                   49083      44713      3670       7.48% 
     
2.営収(1台あたり)   *非「4社」。無線加入の有無は大差なし 
               *休車を除く、稼動車の営収 
     09年  10年    増収  
10月  38064  38227   159 円 
11月  37800  37871    71円 
12月  41483  43218  1735円 
 
 
3.結論
1.減車がひとまず目安とした「2割・11月いっぱい」は貫徹せず。
2.減車が進行中の10-11月には「結果」は出なかった。
3.年末は少し回復した(4.2%)。けれど、「減車の実績」といえるレベルか?
 
本格的な分析は後日にします

10年11月に、東京では「2割減車」がひとまず完了しました。
 それに合わせて、「悪質業者・悪質常務員の淘汰」策がいろいろ講じられています。
 その実態や如何。
 結論だけ言えば、「企業側の1人勝ち」「悪質企業のぼろ儲け」でしかなかったと感じます。
 全自交も自交総連も、「成果」を歌っていますが、「資本への奉仕だけの改革だ。いい加減にしろ」と言いたい。
 関西生コン労組の「共闘と対決」に比べれば、「資本に代わって要求しただけ」。しかも関生のような位置づけもなしに‥です。
 
 なぜそう言うか?
 おいおい実態を書いていきたいと思っています。

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