旗旗さんのHPから。
故・戸村委員長の遺作の全文がある。
印刷してじっくり読むのが望ましい。
第一回 帰郷(1)http://bund.jp/img/kaiko/novel/hyousi1.jpg
一九四五年八月一五日――ついに日本の敗戦の日が来た。
木川武治の郷里は芝山町菱田の辺田(へた)部落だった。武治がそこに帰ってきたのは、その年の一〇月二五日だった。
一〇月といえば農村は農繁期のさなかで、猫の手も借りたいせわしさだった。農繁期の農家はどこを訪ねても空家同然で、留守番といえぱ猫か鶏くらいのものである。
そんな辺田部落に、彼は何の前振れもなく漂然と帰ってきた。軍隊生活が長く、下士官の肩書まで持っていた彼は、敗戦軍人のうらぶれた姿を、郷里に曝したくはなかった。
木川武治の郷里は芝山町菱田の辺田(へた)部落だった。武治がそこに帰ってきたのは、その年の一〇月二五日だった。
一〇月といえば農村は農繁期のさなかで、猫の手も借りたいせわしさだった。農繁期の農家はどこを訪ねても空家同然で、留守番といえぱ猫か鶏くらいのものである。
そんな辺田部落に、彼は何の前振れもなく漂然と帰ってきた。軍隊生活が長く、下士官の肩書まで持っていた彼は、敗戦軍人のうらぶれた姿を、郷里に曝したくはなかった。
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三里塚闘争の実像を記した古典的名著。
「帰郷」は戦場からの復員からはじまる。