2010年11月

黄色のタクシーは「大手4社」と呼ばれています。
「4社」を核とした事業協同組合としてチケットや無線を扱っています。
お上や大企業のチケット営業に群を抜いていて、1台当りの営業収入は同業他社に比べてダントツです。
 
この協同組合は別名「大日本帝国」といわれます。
大和(だいわ)・日本交通(N)・帝都・国際(KM)の4社の略です。
 
最初は「悪い冗談だ」と思っていたのですが、実際には悪い歴史そのものだったことを知りました。
実際の大日本帝国の時代に、戦時下の産業報国会運動の中で生まれ、戦後も生き続けてきたものでした。
 
タクシーはもともと、「個人タクシー」から出発しています。
それが統制経済に向けた国策で少しづつ統合され、数次の統合の末に上記4社にまとまった。国策のままその1字づつを与えられてできた名前・体制そのものでした。
 
戦後もこの4社と並んで雨後のタケノコのように生まれた個人や中小のグループが、やくざを交えた、あるいはやくざもどきの合従連衡の抗争を繰り返して、戦後の興隆の時代を生み出していったのです。
労働運動も、「青春の門」のような荒々しく生身の人間くさいものでした。
 
私の群馬でも戦時下、生糸や紡織その他の協同組合が続々生まれたことが語られています。
 
見方を変えると、日本資本主義の形成史が浮かび上がります。
俗に「護送船団方式」と呼ばれ、「官営企業の払い下げ」で形成されたとされる日本資本主義は、実際には「上からの形成」には成功せず、良くも悪しくも中小・零細の「無政府的発展」が広く豊かな裾野を形成したことが知られています。
「上からと下からの対立的・矛盾的発展」とでもいうべき要素があってこそ、「発展」があったことを確認したいと思います。
 
大正デモクラシーのうたかたの夢は、その辺を反映したものだとしておきましょう。
歴史と現在を生き生きと多面的にみる訓練、色んなレベルから多次元的に考える訓練を積みたいと思います。
 
ただ実際の乗務員にとっての「4社」は、「金にはなるがやたらとうるさい風紀委員」だというだけです。
黄色いタクシーを見たら、そんなことも思い出してください。

新左翼を中心に、右までの多くのサイトが登録されている。党派系(現・元)も多い。
また、人権そのた多くの分野別にも区分けされているので、知りたいテーマで探せる。
 

イメージ 1

領土問題は、①戦争か②友好と利害のバーター、以外に解決しないものだと感じています。戦争を起こしたいと思うのでない限り、それ自体としては意味がない。
国内事情によって騒ぐのはお互い様。日本側の主張の唯一の「優位」は「実効支配」のみ。
尖閣は「日本の支配」、竹島は「韓国の支配」、北方領土は「ソ連の支配」という現状を前提に共同して解決を探るしかないでしょう。世界にはもっともっと深刻な「国境・領土問題」が存在します。
今も続く「沖縄の米軍支配」とは、百万県民の存在という質的な違いがあることをどう語れるかでしょう。
 
東京新聞の記事を転載します。
 
 
2010年11月2日 東京新聞 23面 こちら特報部
日米同盟強化が狙い?
前略 中国は)尖閣問題について「棚上げ政策」を取つてきた。日本側も、中国側の「棚上げ政策」に乗っかる形で実効支配を続けてきた。これが最も端的に表れているのが、二〇〇〇年六月発効の日中漁業協定だ。
 旧協定では、それぞれの領海(沿岸十二カイリ約二十二㌔)の外側は、両国の漁船がその国の取り締まりのもとで自由に操業できた。それが日中両国が一九九六年に批准した国連海洋法条約に基づき、領海線から二百カイリ(約三百七十㌔)に経済的な権利が及ぶ代わりに、資源管理などの義務を負う「排他的経済水域(EEZ)」を設定する必要に迫られた。
 だが、東シナ海は双方のEEZが重なる上、尖閣問題が絡む。このため、現協定では、日中のEEZを画定しないまま、尖閣諸島を含む北緯二七度以南は従来通り、双方が自由に操業できる水域に指定。領土問題を棚上げした
 現協定は九七年の署名以降、二年半ほど発効できない状態が続いたが、これは、北緯三〇度四〇分以北の海域で、両国が相手国の許可なく操業できる範囲をどのように定めるかでもめたためだ。

 では、今回の事件を漁業協定との関連で検討するとどうなるか。衝突は一、二回目ともに領海内。領海内は、漁業協定は適用されず、外国人は操業できないとする外国人漁業の規制に関する法律の対象だ。停船させて立ち入り調査したのは領海外だが、公海上であれは、追跡することは国際法上認められている。

 ただ、日本政府は従釆、中国漁船が尖閣諸島周辺の領海内に侵入しても追い払おうとはするが、「実力行使」は避けてきた。事実上、領海内でも、漁業協定が「準用」されてきたともいえる。元外務省国際情報局長の孫崎享氏は「日本は領海内であっても漁業協定の精神で対処してきたが、今回は二れを逸脱している」と指摘する、つまり態度を変えたのは日本の方だという。
それは、なぜか。
孫崎氏は、民主党政権が日米同盟の強化を狙って方向転換を図ったとみる。「日米のタカ派は事件を契機に、日本の防衛予算の強化を狙っている。民主党の議員は過去の経緯を知らず、前原誠司外相らタカ派の意見に引きずられている」
中国出身で現政府に批判的な評論家石平氏も「中国は海洋権益を拡大しようとしているが、このタイミングで尖閣カードを切ろうとしたとは思えない。中国には予想外の出来事だった」と推測する。同時に「編集したものを一部議員にしか見せないのでは説得力がない。中国に反論する余地を与える」と批判する。
 とはいえ、ビデオの取り扱いがどうなろうと、中国は、領有権を強硬に主張し続けるとみられる。それだけに孫崎氏は、いたずらに中国を刺激するよりも、「棚上げ論」こそ日本の国益にかなうと主張する。
 「中国政府が自国漁船の出漁を抑えなけれぱ、尖閣近海に中国漁船が押し寄せる。日本はすぺて逮捕するのか。中国の協力なくして問題は解決しない。事態の沈静化を図って中国を棚上げ政策に戻すぺきだ」        
― 
デスクメモ

普天問移設問題が 中国脅威論が幅を利かせれぱ、必然的に日米関係の強化へと世論ぱ傾く。迷宮へと入り込んだ今、親米の菅内閣には、またとない追い風だ。奇妙なことに北の脅威までも揺さぶり攻撃を始めた。きな臭いご時世だ。こんなときこそ気を落ち着けて、誘導に乗せられる愚だけは避けたい。(充)

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

↑このページのトップヘ