サンケイの「特ダネ」として、公安の手柄話を披露しているが、今後の為に記録しておきたい。
【逃亡45年・中核派活動家逮捕】
「この部屋には必ず何かある」捜査員の執念の尾行
渋谷暴動事件をめぐり殺人容疑などで警視庁に指名手配され、逃亡を続けていた過激派「中核派」の大坂正明容疑者(67)とみられる男が、大阪府警に逮捕されていたことが明らかになった。45年以上にわたって捜査の網の目をくぐり抜けてきた男の存在が浮上したきっかけは、執念の「追跡劇」だった
捜査関係者によると、今年1月29日、中核派の非公然活動家、鈴木哲也容疑者(52)=有印私文書偽造・同行使容疑などで逮捕=が、府警がマークしていた中核派活動家の女と大阪府内で接触したのを、府警の捜査員が確認した。
鈴木容疑者は昨年1月、大坂容疑者の潜伏先だったとされる東京都北区のアジトを警視庁が家宅捜索した際、公務執行妨害容疑で逮捕(後に釈放)された「大坂容疑者をかくまうグループの一人」(警視庁幹部)とされる人物。女と接触後、兵庫県相生市のホテルに偽名で宿泊した。
捜査員は翌日、ホテルを出た鈴木容疑者の尾行を続けた。電車やバス、タクシーを何度も乗り換えた末、広島市安佐南区にある5階建てマンションの3階の角部屋に入るのを確認した。
「この部屋には必ず何かある」。捜査員が張り込みを始めて数日後の2月初旬、マンションから年配の男が現れた。これが大坂容疑者とみられる男だった。
府警は慎重に2人の行動確認を続けた。連れだって外出することはなく、特に男は、「ほとんど外出せず、出かけてもすぐに部屋に戻ってきた」(捜査関係者)という。
男の正体がつかめず膠(こう)着(ちゃく)状態が続く中、事態が急変したのは5月中旬。鈴木容疑者と接触していた活動家の女が、別の事件で兵庫県警に逮捕されたのだ。「(鈴木容疑者らが)アジトを移す可能性がある」。府警は急(きゅう)遽(きょ)、鈴木容疑者の偽名宿泊の件で逮捕状を取り、5月18日朝にマンションを急襲。大勢の捜査員がなだれ込む様子を見た住民男性(28)は「何事かと思った」と振り返った。
部屋の間取りは2LDK。布団や食器類があり、冷蔵庫には食品が残っているなど、生活の痕跡がうかがえた。捜査関係者によると、鈴木容疑者と一緒にいた男は白髪の短髪で黒縁眼鏡をかけていた。大坂容疑者の22歳当時の手配写真と比べややふっくらしているが、唇など「目から下の特徴が似ている」という。
今後の捜査の焦点は、逮捕した男を大坂容疑者とどのように特定するかだ。
キーワードとしては、ともに逮捕された鈴木氏、「大阪府内で接触した」女性、兵庫県警などになる。昨年1月の「東京都北区のアジト」も大きい。
今の中央派は「武装闘争」を完全に放棄したものの、「歴史上の中核派」の”正統な後継団体”=”唯一無二の革命党”として、古参や若者たちに打ち出している。そのキーワードが「星野・奥深山・荒川ー大坂」だった。
その中央派が大坂氏を守り切れないという大敗北を喫したということなのだが、その深刻さを直視する姿は見て取れない。
大坂氏も逮捕時には67歳。「大坂氏」を主語にした議論が大事だと思うのだが、奥深山氏の逝去関連の事態とともに、主語のブレや曖昧化が気になる。今回はこのことだけを指摘しておこう。